大阪のコピーライター SpeedFreaks 足立です。
何かを考え始めたとき、まっさきに浮かぶアイデアは捨てるというお話です。
100人が理解できる、まだ誰も言ってないこと
とくにキャッチコピーを考えるとき、100本書いたとしたら1本目は捨てます。
(厳密に言うと置いておきながら、捨てます)
だいたいすぐに考えついたようなアイデアは、誰もがおもいつきそうなアイデアです。
それはラーメン屋の看板に「うまい!」と書いてあるようなものです。
それが100本くらい書いてくると、人とかぶらないアイデアが生まれてきます。
それを選ぶのがコピーライターの真骨頂だと思います。
人と被らない、でも人が理解ができるコピーこそが機能するのだと思います。
食べたらみんな牛になれ!
杉山隆一さんが1963年に書いたコピーです。(厳密には1962年かな)
商品は「三共整腸薬」
これだけだと意味がわからないのでボディコピーも紹介します。
アァ うまかった!
ホント おいしかった
おなかがパンクしそうだョ
ベルトをゆるめたら どう?
ヨコになるといい
なにだいじょうぶ これがあるんだ・・・おなかが軽くなるんだョ
食事をしたあと、すぐに寝ると「牛」になると言われたものです。
でもこの整腸薬を飲めば、お腹が軽くなり横になっても大丈夫というものです。
普通のアイデアだと
「食べ過ぎても安心!」
「食べ過ぎたら飲もう」
みたいな感じですかね。
ちょっとジャンプすると
「食べてすぐに横になっても牛にならない!」とか?
そう考えるとこのコピーすごくないですか?
食べたらみんな牛になれ!
まさかの命令形です。どういうこと?と目を引くじゃないですか。
広告は見られないものである、その前提があるとこのコピーのすごさがより理解できます。
そして、100本目の1本目ではないアイデアであるように思えませんか?
ぜひ、何かを考える際の「1個目のアイデア」は捨ててみることを前提に考えてみてはいかがでしょうか。